Toruトップ  >マラニック   >歴史 >登山
室蘭市(室蘭駅〜測量山199.63m→女測量山〜絵鞆岬(エンルムチャシ))

令和3年6月13日(日)14km 2時間7分

 快晴予報に誘われ、吉方の室蘭へ。今日の目的地は絵鞆岬=エンルムチャシである。いつも通りただ車で訪問しては面白くないので、室蘭駅から測量山経由で訪問することにする。
 室蘭駅近くのパチンコ屋とスーパーの共同駐車場に車を停めて、測量山に走り始める。途中商店街を走るが、寂れ方が半端でない。モータリゼーションと店舗の大規模化が小売店舗と飲食店を弱らせる。
 測量山への登山道路を早歩きで30分ほどで測量山山頂に到着した。初夏の快晴の下、噴火湾の向こうには渡島半島、駒ヶ岳、市街の方には鉄工所や製油所などの工業地帯、有珠山、昭和新山などが一望できる。測量山の説明板があった。

【青い海と緑の頂・測量山】
 ・海抜199.63m
 ・一等三角点補点 明治33年(1900)陸軍陸地測量部による一等三角点測量が行われ一等三角点補点として設置されました。
 ・測量山周辺、面積119.5haの緑地内には、植物が500種、動物、野鳥、昆虫類が豊富で、特に渡り鳥の中継地になっており、四季折々野鳥の観察ができ、市街地に隣り合わせており、身近の自然林として市民に親しまれています。
 ・明治5年(1872年)、「札幌本道」をつくる時、当時陸地測量道路築造長の米人ワーフィールドが、この山に登って見当をつけたことから、「見当山」と呼ばれ、後に「測量山」と改められました。

与謝野鉄幹・晶子 歌
 我立てる 即涼山の頂の 草のみ青き 霧の上かな 鉄幹
 灯台の 霧笛ひびきし 寂しけれ 即涼山の 木の下の路 晶子
            昭和6年6月(1931年) 天候は霧もよう

 測量山から絵鞆岬の方に向かう途中に女測量山の看板があり、登って見ると広い高台の頂上であった。下っていくと室蘭清水ヶ丘高校の横を通り、海岸沿いの道路を走る。ここはく、市街地を挟んでの緑なので熊の心配はないが、マムシ注意の看板が多くそれが気になる。
 走っていると、「名勝ピリカノカ 絵鞆半島外海岸 ハルカラモイ」に辿り着いた。アイヌ語で「美しい、形」を意味し、アイヌの物語や伝承、祈りの場としての景勝地を総称する言葉だそうだ。
 そこからしばらくして、絵鞆岬(エンルムチャシ)に到着した。展望台になっており、チャシの原型はとどめていない。さらに、この場所のすぐ東隣がポンエンルムチャシ、少し離れてハシナウシチャシがあるはず。ポンエンルムチャシは確認できなかったが、ハシナウシチャシは恐らく宮越屋珈琲が立地している丘だと推測する。

【絵鞆岬】説明板
 室蘭発祥の地。絵鞆とはアイヌ語のエンルムから転じたもので「突き出している頭」「岬」というのが語源。
 絵鞆は江戸時代から明治維新まで室蘭地方の地名であった。地図の上では蝦夷の古地図として知られている正保日本図(1648年頃)にエントモと書かれている。
 慶長年間の初め松前藩の直轄所(漁業地)として開かれ、交易所で通行人の宿泊もできた運上屋が置かれた場所であり、夏季にはアイヌと交易するため、松前藩の弁財船が絵鞆の澗に出入りした。
 絵鞆岬と東の丘上にあったチャシ(砦)遺跡や周辺の貝塚からは、縄文早期(約9千年〜6千年前)からアイヌ時代(約8百年〜百年前)に至る貴重な出土品が数多く見られた。

【エンルムチャシ】
・城 跡 名:エンルムチャシ
・所 在 地:北海道室蘭市絵鞆町2丁目2-11
        マップコート:159 277 849*81
・創建年代:不明
・創 建 者:不明
・形  態:丘先式
・主な遺構:空壕(弧状1条)
・大きさ60m×40m
・標高:不明、比高:不明
・説明板:あり(上記の通り)
・伝説:なし
・概要:
 エンルムチャシ、ポンエンルムチャシ、ハシナウシチャシの三つのチャシは、室蘭港を南から抱え込む室蘭半島先端、噴火湾に突き出たエンルム岬のほぼ、千数百メートルにわたる海岸線の台地上にあった。現在は室蘭市の市街化によって、その形状はほとんど見ることができない。
(略)
 ハシナウシは、「柴幣・群生する・所(柴幣の幣場のあるところ)」というアイヌ語地名で、海神を祀る幣場がここにあったので、この名がついたもの。また、エンルムは、「突き出ている・頭(岬)」という意である。
 「室蘭市」によると、室蘭市内には、今一つ「茶津のチャシ」があり、旧記類にもみられるが、昭和の初期、すでに破壊されてしまっており、いまは見ることができない。
  ※出展:「日本城郭体系(北海道・沖縄)」

【ポンエンルムチャシ】
・城 跡 名:ポンエンルムチャシ
・所 在 地:北海道室蘭市絵鞆町2丁目2-10
        マップコート:159 277 849*81
・創建年代:不明
・創 建 者:不明
・形  態:丘先式
・主な遺構:空壕(L字1条)
・大きさ:20m×30m
標高:不明、比高:不明
・説明板:あり(上記の通り)
・伝説:なし
・概要:上記の通り
 
【ハシナウシチャシ】
・城 跡 名:ハシナウシチャシ
・所 在 地:北海道室蘭市絵鞆町1丁目15-1
・創建年代:不明
・創 建 者:不明
・形  態:丘先式
・主な遺構:空壕(直状2条)
・大きさ:100m×30m
標高:不明、比高:不明
・説明板:あり(上記の通り)
・伝説:なし
・概要:上記の通り

 絵鞆地区を後にして、道道室蘭港線を通って出発地に帰る。  
   
   
 
 
 
 
   
   
 
↓今思えば正面の斜面がチャシ跡か? 
   
  
   
 
 
 
 ハシナウシチャシ
 
マラニックに戻る