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 自分がたまにお世話になっているU山岳会札 幌支部の機関紙に寄稿しましたので、紹介します。
 

2004年の山行記録、そして、登山と格闘技について

                       
 昨年は、U山岳 会の皆様にはゴールデンウィークの野塚岳でお世話になり、ありがとうございました。いつもどおり?の豊富な酒量・種類と山上とは思えない珍味、肴の数々を 堪能するとともに、日高の残雪と絶景を楽しませてもらいました。春山をあなどり装備が貧弱だったため、非常に寒い思いをしたことが反省点でしたが、総合的 には楽しい山行でした。また、機会がありましたら、ご一緒させていただきたいと思います。

 さて、昨年の自分 の登山記録ですが、転勤先の函館に山仲間がいないことと、妻が3人目の子供を身ごもったことなどから、前述の5月の野塚岳、6月に道南の二股岳、7月の羊 蹄山、10月の円山(札幌出張ついで)の4回だけでした。山行の詳細は、自分のホームページ(http://www.geocities.jp/t_borishi/index.html)をご覧になっていただきたいのですが、昨年の数少ない山行の中で、寒さで苦しんだ野塚 岳と、そして暑さに苦しんだ羊蹄山ということで、寒さ・暑さにとても苦しんだことが印象的でした。

昨年の夏は皆様ご承知のとおり、非常に暑かったのですが、羊蹄山に上ったのは7月下旬の酷暑の真最中のころで した、前日に空手の練習で疲労している体に鞭打って、無理して登り、水分不足等も手伝い、脱水症状と足の肉離れを起こすなど自分の登山史の中でも、最悪の 登山となりました。やはり、自分の体力を過信し、そして山を侮ってはいけません。

 さて、この度の エッセイについては、阿部さんから、自分の趣味である格闘技についても書いてはどうかと、ご提案がありましたので、恥ずかしながら書かせていただきます。

 自分の趣味は、登 山のほか格闘技(空手と柔術)が趣味ですが、皆から、「何で、そんなことやっているのよ!」とよく言われます。小さい頃から強くなりたいという漠然とした 憧れはもちろんあったのですが、最近は、何よりも「体を動かして汗をかいた後に美味しいビールを飲む!」という不純な動機により継続しています。ここで皆 さんお気づきかと思いますが、登山との共通項は、「汗をかいた後、美味しいビールを飲む!」ということです。さらに、格闘技では大会後の達成感(特に優勝 時)、登山では登頂の達成感という意味で共通点があります。(この達成感の行き先には、うまい酒がつながりますが・・・)

 空手は二十代前半 で始め、一方で、登山は30歳頃に始めましたが、体を鍛える手法や目的の面でも、両者には共通点があります。自分は極真空手に所属しており、皆様ご承知か もしれませんが、文字どおり徒手空拳(=素手素足)で闘う空手です。大会に出場する時や昇級・昇段審査の時などは、お互い(合法的に)殴りあうのですか ら、極度の緊張を強いられるものです。それは置いといて、空手はボディービルダーのように筋肉をたくさんつけて殴り合う力勝負というイメージがあるようで すが、数分間の時間の中で全身を使って闘うということは、実は、スピード・スタミナ・パワー、そして技術・精神力という総合力が試されます。そうした総合 力を高めるため、大会に向けた様々な練習をしてゆきますが、スピード・スタミナの双方を向上させる練習の一つに、坂道ダッシュがあります。これは文字通り 坂道をダッシュするものですが、何回も続けていると、酸欠で視界が狭くなるほどつらいものです。昔住んでいたところの近くに藻岩山登山口があったのです が、ただ道路の坂道をダッシュしているだけではつまらないから、藻岩山をダッシュして登れば、景色も楽しめるし、一石二鳥だと思い、始めたのが自分の登山 の始まりです。ジャージ姿で登山道を走っている姿は非常に奇異な目で見られましたが、当時は、毎週1回くらいは恒例で走って登っていました。

登山は、スピードはそれほど求められませんが、スタミナはもちろん、重い荷物を背負うパ ワー、そして技術、さらに精神力が求められます。こうしてみると両者に非常に共通点が多いと感じます。昨年の野塚岳も自分としては率先して、重い荷物(1 升ワイン2本とビール6本、そしてテント。まだ甘いですか?)を背負い、できる限り先頭に立ってラッセルさせていただきましたが、それもトレーニングと思 い、そして山上の美味しいお酒を飲めることを思い、実行したものです。

 自分は、今年で四 十路を迎えますが、エベレスト登頂を果たした三浦雄一郎氏と、その父親で100歳近くにもなって毎年スキーを続ける三浦敬三氏のことがテレビで放映されていました。特 に三浦敬三氏は100歳近くの年齢にもかかわらず、毎年スキーを滑るため、食生活への配慮、そしてなによりも 日々のトレーニングを欠かさない姿勢と実行力には驚嘆すべきものがありました。こうした先輩方からみると自分はまだまだ未熟ですし、こうしたことは年齢に 関係なく、コツコツ続けることが重要だと痛感しております。

 最後に、登山は何 よりも、自然の中で日常を忘れ、ストレスを発散させてくれる、心のオアシスです。これからもコツコツと登り続けたいと思いますが、浦河山岳会の皆様とも機 会がありましたら、ご一緒させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


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