騎士団長殺し

日本書

令和2年(2020)3月8日

村上春樹著

このような壮大な物語を考える村上春樹はすごい。

物語はここからどこに進んでいこうとしているのか?

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。村上春樹の『騎士団長殺し』は、妻に離婚を告げられた36歳の肖像画家の「私」が、小田原の山荘で見つけた未発表の日本画「騎士団長殺し」をめぐり、不思議なイデア(理念)や、謎の隣人・免色渉、戦争の記憶といった異界的な要素に巻き込まれていく、ファンタジーと現実が交錯する長編小説です。 

【あらすじ・ポイント】

  • 逃避と孤独: 妻からの離婚通告を受け、あてもなく放浪した「私」は、友人の父親である高名な日本画家・雨田具彦の山荘に住み始める。
  • 奇妙な絵と異界: 屋根裏で「騎士団長殺し」と題された日本画を発見。その直後、谷の向こうに住む謎の男・免色渉から肖像画の依頼を受け、さらに絵の中から「騎士団長」という名のイデアが現れる。
  • 日常の崩壊と再生: 近くの裏山にある石の祠(ほこら)を開けてしまったことで、現実は現実離れした奇妙な「メタファー(比喩)」の世界へ変容し、「私」は自らの内面と向き合う試練を受ける。 

物語は「顕れるイデア編」「遷ろうメタファー編」の2部構成で、芸術の真髄、生きることの孤独、歴史の記憶といった深遠なテーマが描かれています。

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