令和2年(2020)10月9日
ホピの聖なる預言。地球から日本人への緊急メッセージ。
小原田泰久『原爆と原発』は、原爆と原発という二つの“核”の姿を、歴史・政治・社会の視点から総合的に読み解く評論書である。著者は、広島・長崎の被爆体験から福島第一原発事故に至るまでの流れをたどりながら、日本がなぜ核と向き合い続けてきたのかという根源的な問いを掘り下げていく。原爆(軍事利用)と原発(平和利用)はまったく別物として扱われてきたが、技術的には同じ核分裂を利用し、政治的にもアメリカの影響を強く受けている点で連続性があると指摘する。戦後日本が被爆国でありながら原発を積極的に導入した背景には、アメリカの「アトムズ・フォー・ピース」政策、冷戦下のエネルギー戦略、そして科学技術立国を掲げた国家方針が複雑に絡み合っていたと分析する。
さらに著者は、被爆者の証言や記録を重視しながら、「核の被害者である日本」と「核を利用する日本」という二重構造を浮かび上がらせる。2011年の福島第一原発事故は、原発が抱えるリスクと「安全神話」の脆さを社会に突きつけ、国と電力会社の責任構造や被災者の長期的な苦難を明らかにした出来事として位置づけられる。こうした視点を通して、著者は「核の平和利用」という前提そのものを問い直し、原爆と原発を別々の問題として扱う従来の枠組みを超えて、日本社会が核とどう向き合ってきたのかを深く考える契機を提示している。


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