令和4年(2022)4月7日
小林雅一著
DNAのメス、クリスパーの衝撃
いま、全世界の科学者や医学者たちが、必死に研究開発に取り組んでいる超先端技術がある。「ゲノム編集」だ。この技術に注目しているのは、製薬・化学メーカーだけではない。グーグルやアマゾンまでもがそのビジネス・ポテンシャルに魅かれ、巨額の投資を始めている。この史上空前の技術、そしてそれが私たちの人生や暮らしに与えるインパクトなどをわかりやすく解説するとともに、科学者に群がる巨大企業の実態にも迫った必読書!
いま、グーグルやアマゾンといった世界的なハイテクIT企業が、その巨大なビジネス・ポテンシャルに魅かれ、巨額の投資をしている超先端技術をご存じだろうか。
「ゲノム編集」である。
この史上空前の技術、そしてそれが私たちの人生や暮らし、さらには社会に与えるインパクトなどをわかりやすく解説するとともに、熾烈な特許争いの舞台裏や科学者に群がる巨大企業の実態にも迫った、必読書!
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みなさんは、これまでに「自分を変えたい」と思ったことがあるだろうか?
たとえば自分の顔、身長、体型、性格、知能、運動能力、さらにはアレルギーなどの各種体質……これらすべてに満足している人など、ほとんどいないのではないだろうか?
にわかには信じられないかもしれないが、(少なくとも技術的には)それが可能になる時代が迫っている。
なぜなら、先に列挙した特質のすべてに遺伝子が強く関与しており、これを操作する遺伝子工学や生命科学の分野でいま、過去に例を見ない驚異的な技術革新が起こっていて、それこそがこの「ゲノム編集」だからだ。
世界中の科学者たちは、この技術によって、すでに「肉量を大幅に増やした家畜や魚」「腐りづらい野菜」などの開発に成功している。
今後、この「ゲノム編集」は「iPS細胞」などの異なる技術を組み合わせることで、がんや糖尿病、あるいはアルツハイマー病など、現代社会に多く見られる病気の治療にも応用されると見られている。
グーグルやアマゾンなどはすでに「生命科学とITの融合」に取り組み始めている。
さまざまな病院や研究機関などと連携して、ゲノム(DNA)データをクラウド上に集積、AI(人工知能)でパターン解析することにより、やがて複雑な病気の原因遺伝子や発症メカニズムを解明していくというのだ。
高い知力と強靭な肉体、そして端麗な容姿を兼ね備えた「デザイナー・ベビー」の誕生を可能とする「ゲノム編集」について、倫理的な問題をもまじえながら、わかりやすく説いた入門書。


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