令和4年(2022)9月25日(日)
士別市(道の駅羊のまち侍・しべつ~士別兵村開拓記念碑~士別神社・九十九山・ニセヲチャシ~松浦武四郎宿営地(サッテクベツ)~徳富蘆花碑~屯田兵(家族)上陸之碑)
約12.9km 2時間7分
早朝に家を出て、7時半頃に士別の道の駅に車を停めて国道を北に走り始める。グーグルマップに出ていた「士別市街発祥の地」や「水田発祥の地」碑は見つけることができない。士別神社の方に向かうため、右折すると直ぐに大きな通りにさしかかる。屯田兵の練兵場跡である。
説明板によると「明治31年、北海道庁の命により選定、1万坪が区画された。翌年7月屯田兵が入地して、ここで軍事訓練が行われた。」とある。そこには「士別兵村開拓記念碑」があり、陸軍大将子爵大迫尚教の書である。裏面には漢文で由来と氏名がびっしりと書かれている。その隣には、「忠霊塔」があり、さらにその隣に戦没者の氏名が書かれており、手を合わせて士別神社に向かう。
士別神社は小高い丘である九十九山にある。ネットで調べると神社の境内の反対側で藪漕ぎをして登っている人もいて、頂上に三角点も山名の掲示板もあるようだ。なので、今回は登山の記録には含めない。
しかし、この神社のところは「ニセヲチャシ」だそうだ。神社の近くに説明板などもなく、ネットでも神社の周りの森がチャシのようなので、チャシ訪問記に加える。
士別神社のところには、小さい付属の神社が多いが、それは省略させていただく。
【士別神社説明碑などの概要】
士別開村の当初明治32年7月15日、北海道最後の屯田兵第三大隊99戸が入地。練兵場(今のグリーンベルトの開拓記念碑)の一画に開村記念碑を建て、天照皇太神をおまつりして挙行、士別神社が創祀。同35年士別村独立を機に名越源五郎中隊長は社殿建立を屯田兵一同に譲り、鎮守の森を九十九山と名付け、三尺四方の木標を祠に改め、住民の心の支えとして御鎮座。明治45年に明治天皇遥拝殿が建立。昭和5年には現社殿が完成し。・・・(略)。
(なぜ、99戸なのか、九十九山のあらましの説明板に記載があった)
境内=九十九山は約十町歩、北海道第二の広さを誇る。士別屯田百戸は明治32年7月1・2日に第一陣、12日・13日に第二陣が入地した。兵と家族622人の住む百戸の屯田兵屋は士別神社下「兵村」の鬱蒼とした原始林の中に並んで建てられ、一番から百番まで番号がつけられた。ところが13日一戸が火事で全焼し、南剣淵兵村に転出、剣淵屯田となった。ちょうど百番目の家で密林のため火事に気付く人が少なかった。かくて99戸で士別の開拓が進められ、3年後の35年に・・・。(上記同様)。
境内に中々洒落た詩の石板があった。「直ちには海に下らず北を指す 天塩川は北国の意志」。
【ニセヲチャシ】
・城 跡 名:ニセヲチャシ
・所 在 地:北海道士別市東8条北1丁目九十九山
・創建年代:不明
・創 建 者:不明
・形 態:丘先式
・主な遺構:不明
・大きさ:不明
・標高:180m程度
・説明板:なし。
・伝承:なし。
士別神社を後にして、つくも水郷公園を通って天塩川を渡り、松浦武四郎宿営地(サッテクベツ)を訪問した。ちゃんとした説明板が整備されていた。
【松浦武四郎宿営地(サッテクベツ)】
「天之穂日誌」によると、松浦武四郎は、1857年(安政4年)旧暦6月20日に、ここサッテクベツのルヒサンケの家に宿泊している。当時は、アリエテンカ、トセツ、ルヒサンケの3軒10人の部落があったとされる。「ほとんど留守であったが、武四郎が来ていると聞き、皆帰ってきて、賑やかにもたなした」とある。また帰りにも泊まり、酒宴をしている。サッテクベツは痩せる川の意で、夏になると水の涸れる川のことで、当時このあたりで天塩川に合流していたと思われる。
また、天塩川を渡り、下川市街地に戻り、徳富蘆花の歌碑を訪問する。
【徳富蘆花歌碑】
「泥炭地耕すべくもあらぬとふ さはれ美し虎杖いたどりの秋」。
明治の文豪徳富蘆花が、明治43年9月19日北海道旅行の途次、車窓から眺めた士別の情景広漠たる泥炭地の中に黄葉した丈高き虎杖の美しさを詠まれた歌です。
ここから駐車しているところはすぐなのだが、少し走り足りないのと、最後に訪問したかった「屯田兵上陸の地」に向かう。それは、小さな小川のほとりの高台、日本甜菜製糖の敷地の近くにそれはあった。
【屯田兵上陸之地】
その日は「屯田兵上陸之碑」と「明治三十ニ年七月一日」と刻まれている。その横の説明板には、「1899年(明治32年)7月1日、士別に入地する屯田兵第3大隊第5中隊は、家族と共に和寒より徒歩で士別に向かいました。屯田兵の家族の中で体力のない子ども・婦人・高齢者などは、剣淵ビバガラウシの福井橋からアイヌのひとたちの丸木舟で剣淵川を下りこの地点に上陸しました。
内地から異国のような北海道に上陸した屯田兵とその家族の思いをはせて、駐車している車に帰る。
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