令和7年(2025)8月16日(土)浜中町奔幌戸
浜中町から海沿いを走っていると、寂れた漁村地域に石碑が見えた。車を停めて取材すると開基記念碑ではないか。この辺の地域は奔幌戸「ぽんぽろと」と読むらしい。
数多くの石碑を見てきたが、背後に、レンガがはめ込まれたオブジェクトが二つ設置されているのは珍しい。なお碑文は名文だった。
【開基百年之碑】
正面に上記のとおり刻まれその下に「浜中町長 渡部和雄書」と添えられている。裏面の碑文には次のとおり刻まれていた。「碑文 時は寸刻をきざみ 人は歴史を綴り 語らんとす 風雪茲に百年 明治二十二年奔幌戸の黎明を見る 草萱の苫屋に起臥し 開拓魂の雄叫びと共に漁を求めて 北の大地に立つ けもの道 道なき山肌を切り削き 流汗悟道 己を捨てて老若 皆一心 過酷なまでの辛苦に耐えた道普請 開拓の苦難を困窮に極にも未来に夢託し 子弟の教育に情熱を注ぐ ああ 忘れまじ北辺の山野に南冥の海に想いを故郷に馳せ 戦場に散った若き英霊を 星霜移りて文明の萌しようやく瞬を近郷に先駆け電燈 電話 築港と生活の基盤を築く 十勝 チリ沖二度の津波の災害にもめげず 文化の薫りも高い北海道生活文化賞の栄誉に輝く 幾多の困難を克服し今日を築いた 先達の労苦とその偉大な功績を讃え 万感の謝意を表し 永遠不滅の郷魂を後世に伝え悠久なる郷土発展を念願し 新たな誓いをこめてこの碑を建立する 平成元年十二月吉日 奔幌戸開基百周年協賛会」




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