狩場山(真駒内~茂津多)

山登り

平成25年7月17日(水) 5名
狩場山(1,502.2m) 登り:真駒内コース、下り:茂津多コース

06:15 登山口(熊戻休憩所)
08:45 馬場川コース分岐
11:30 狩場山頂上
12:30 狩場山頂上出発
13:32 前山
14:25 茂津多小沼
16:45 下山

 今回は、仕事で山登りである。
狩場山の真駒内コースと茂津多コースの草刈りを笹狩り名人の中村人間さんに委託し、業務が完成したということなので、役所でいう業務完了検査を実施することとする。課の新人2名への参加強制命令を含めて、役場内の猛者を募ったところ、自分を含めて5人が集まった。
 登山口が異なり、車で送迎してもらえて初めて実現できるプロジェクトでもある。個人的には、20年ほど前のペテガリ山(往復20km以上)や暑寒別岳の縦走以来の、長丁場の登山である。さらに、趣味の山登りを仕事で行くのは初めてあるが、狩場山自体も初めてであったので、非常に楽しみであった。
 朝、5:30に役場に集合し、6:15に熊戻休憩所を出発。長丁場に備えて大量に背負っている4.5リットルの水がチャポンチャポンと言いながらリュックが肩に食い込む。
 稜線に出るまで、登山道が斜めになる場所が多く、ササもあり非常に歩きづらい。ここはロープ等の整備が必要だろう。委託業務である笹刈りはきちんと実施されている。恐らくブッシュカッターを振りながら2~3mの幅で綺麗に刈られている。さらに、登山道を塞ぐ木も手のこぎりで切られている。この体力、忍耐、技術を要する難しい仕事を一人で4日間で実施する中村人間さんの偉大さに感心しながら登る。
 稜線に出るとブナの巨木林が我々を迎えてくれる。青森・秋田の白神山地は、このブナで世界遺産登録もしている。せたなもこのブナでPRできないのかな?と考えながら登る。鳥も人間を恐れていないのか、近くでさえずっている。
 果てしない稜線登りが続き、第一雪渓前で、馬場川コースとの分岐点を見つける。K課長曰く、瀬棚区の馬場川の上流から昔、登山道が伸びていたが、整備しなくなり、廃道になってしまったという。やはり毎年の笹刈等の整備は重要なのだ。
 稜線に出てから熊の糞に多数遭遇。ほとんど草しか食っていないようだ。中には、出したてホヤホヤのソフトクリーム様の形で、色は黄緑の糞もあった。第一雪渓は楽々クリアしたが、千走新道コースと合流する第二雪渓は傾斜がキツイところをトラバースする必要があり、踏み外すと滑落する危険性がある。ここで千走コースを登ってきた数人グループに会うが、彼らは雪渓の横断が難しいと判断したのか引き返した。我々は引き返すわけにいかないので、慎重に雪渓を横断、または、迂回し、歩みを進める。
 しばらく登り、南狩場山からは、傾斜の緩い高原歩きになる。約5時間もの登りを終え、ようやく狩場山山頂に到着。好天を期待していたが、曇天で残念。しかし、時折青空も見え、須築の沢や島牧方面の方面が時折晴れ、雲の間から絶景が広がる。
 頂上で、各自持ち寄ったおにぎり(米を食べないY女史は、手作りパンのサンドイッチ)と、苦労して背負い上げた水でお湯を沸かしてカップラーメンを食べる。山の上のカップラーメンは美味い。カップラの塩分が五臓六腑に染み渡る。
 1時間ほど頂上で休んだ後、茂津多コース(10km)を降りることとする。スッキの沢方面の山に雪渓が残り、美しい景色が広がる。疲れてはいるが、ほとんど下りなので、何とか動ける。これが逆のコースだったら、厳しいだろうと皆で話しながら下る。
 登り返しが若干あり、登り終えると前山である。ここも景色が良い。その後、切り立った岩場の稜線を過ぎると、延々と単調な下りが続く。皆、言葉少なく無言で歩き続ける。どこまで来たかな?と推測しながら、2~3か所の標識で、まだ5kmしか着ていないとガッカリする。植生はハイ松から背の低いダケカンバへと移行し、冬季の積雪量の多さが想像できる。太陽も出てきて、高度を下げると気温も上昇し、我々の消耗に拍車をかける。
 なんだかんだ言いながら、16:45頃に、ようやく茂津多灯台近くの登山口に到着。19km9時間の山行を無事に終えた。熊の糞は都合50か所以上見つけたが、熊にも会えずよかった。ここに迎えに来てくれた役場職員の皆さんに感謝。帰りの車内で自動車という文明の利器の利便性を痛感する。

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